結婚生活において最もトラブルになりやすいテーマのひとつ。それが「お金」である。収入の多寡だけではなく、貯蓄の習慣、使い道、投資や借金に対する考え方など、人それぞれで大きな差がある。そして、この差が埋まらないまま結婚生活に入ると、やがて不満や不信感となって積み重なり、最悪の場合は夫婦関係を壊す引き金になってしまう。
では、「お金の掟」とは何か。それは、お金そのものを正しいか間違っているかで裁くのではなく、「お金をどう扱うか」に対して互いに理解し合う姿勢を持つことだ。つまり、収入や支出の数字だけではなく、背景にある価値観を尊重し合うことが必要になる。
レッツゴー!
「稼ぎ」と「使い方」は別の問題である

まず大前提として、お金にまつわる話では「稼ぐ力」と「使い方の癖」を切り離して考える必要がある。収入が高くても浪費癖があれば貯金はできない。逆に収入がそれほど多くなくても、堅実にやりくりしている人は安定した生活を送れる。この違いを見抜けるかどうかが、結婚相手を選ぶ上で極めて重要だ。
例えば
毎月40万円稼いでいる人でも、ブランド物や飲み会に毎月20万円使ってしまえば手元に残るのは20万円である。
一方、毎月25万円しか稼いでいなくても、無駄な出費を抑えて5万円貯金できる人なら、将来に向けて資産形成が進む。この現実を、結婚前にきちんと理解しておく必要がある。
「貯金ゼロ」は黄色信号

結婚相談所や婚活の場で、相手の「年収」ばかりに注目しがちだが、本当に重要なのは「貯金額」や「お金の管理力」である。30代後半で貯金ゼロ、さらには借金まで抱えている人は、将来設計に大きなリスクを抱えている。もちろん、事情によっては一時的に貯金がないケースもあるだろう。しかし、収入と支出のバランスを整える力がない人は、結婚生活に入っても金銭トラブルを引き起こす可能性が高い。
ここで注意すべきは、「借金が悪い」という単純な話ではない。住宅ローンや教育ローンなど、計画的に返済していく借入は生活の一部として組み込むことができる。問題は「衝動的な消費のための借金」である。リボ払いに頼り続ける人や、消費者金融を常用する人は、お金に対する認識そのものが危うい。結婚を考える際には、相手の収入額以上に「借金との付き合い方」を確認する必要がある。
お金に対する「快・不快」の差
ある人にとっては1万円の食事が「特別な贅沢」であり、また別の人にとっては「日常の一部」である。この差をどう扱うかが「お金の掟」の核心である。結婚生活において最も避けたいのは、「自分の感覚が常識であり、相手の感覚は非常識だ」と決めつけることだ。
例えば
夫が趣味に毎月1万円を費やすとする。それを「無駄だ」と切り捨てれば、夫は自分の楽しみを否定されたと感じ、やがて不満を抱える。
一方で、妻が毎週カフェに通い、月に1万円を使うことを「無駄遣い」と非難すれば、やはり衝突が生まれる。
大切なのは、「お互いが大事にしていることに対して、一定の予算を割くことは許容されるべきだ」という合意である。金額は交渉が必要かもね、、、
収入に比例した「ルール作り」が必要
お金に関する衝突を避けるためには、ルールを決めておくことが有効である。例えば以下のようなルールだ。
- 固定費(家賃・光熱費・食費)は共通の口座から支払う
- それ以外の自由費は各自の裁量に任せる
- 毎月の貯金額を先に決めて、残りで生活する
このようなルールを作っておけば、「なぜそんなものにお金を使うのか」という不毛な議論を避けられる。また、収入差がある場合には「負担割合を収入比率で分ける」ことも有効である。たとえば夫の収入が30万円、妻の収入が20万円であれば、生活費を6:4で分担する。この方法なら、収入に応じた公平感が生まれる。
我が家はこのルールを取り入れている。なぜなら言い争うこともなく精神的に安定する。
将来への投資をどう考えるか

お金の掟において見落とされがちなのが「投資」の考え方だ。ここでいう投資は株式や不動産だけではない。自己投資や子どもの教育費も含まれる。
例えば
英語学習や資格取得に毎月数万円を投じる人もいれば、それを「無駄」と感じる人もいる。しかし、本人にとっては将来の収入アップや人生の充実に直結するものであり、決して浪費ではない。
子どもにピアノやスポーツを習わせることを「贅沢だ」と考える人もいれば、「必要な経験」として惜しまない人もいる。
結婚する前に、お互いが「どこまで教育費をかけたいか」をすり合わせておくことは極めて重要だ。
「お金の価値観」を見抜く具体的視点
婚活や交際の段階で、相手のお金の価値観を見抜くためには具体的な観察が有効だ。例えば次のような視点である。
- 飲み会や外食の頻度はどれくらいか
- 洋服や趣味にどれほどお金をかけているか
- 貯金や資産形成について話したときに前向きか、避けたがるか
- クレジットカードのリボ払いや消費者金融を利用していないか
- 両親からの金銭援助に頼る習慣があるかどうか
こうした観察によって、表面上の収入額ではなく「お金に対する姿勢」が浮かび上がってくる。特に「見栄のための消費」が多い人は、結婚後も安定した生活を築きにくい可能性がある。
まとめ
お金の掟とは、単に節約や倹約を強いることではない。相手のお金の使い方を「無駄遣い」と決めつけるのではなく、「なぜそれに価値を見いだしているのか」を理解する姿勢を持つことである。そのうえで、夫婦として将来の方向性を共有し、ルールを作っていくことが大切だ。
結婚生活は長い。お金はその間、常に私たちの暮らしに寄り添い、喜びと苦労の両方をもたらす存在である。「お金の掟」を守れるかどうかは、夫婦の信頼関係を守れるかどうかと直結している。だからこそ、婚活の段階で「お金の価値観」を見抜き、互いに尊重する姿勢を育てていく必要があるのだ。

コメント