「安定=魅力」という思い込み
婚活の場において、男性の中には「安定した仕事についていればモテるはず」「公務員や大企業勤務であること自体が武器になる」と信じて疑わない人が少なくない。たしかに、安定性は結婚を考えるうえでの判断材料のひとつではある。しかし、「安定している=魅力的」という図式は本当に正しいのだろうか。
本記事では、データと心理的観点をもとに、「安定=魅力」という神話の誤解を解き明かし、現代の婚活市場における本質的な魅力とは何かについて考察していく。
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「安定」の定義と社会的なイメージ

まず「安定」とは何か。多くの男性が「安定した職業」として想起するのは、公務員、医療系専門職、大企業の正社員などである。事実、2023年に行われたマイナビの「結婚相手に求める条件調査」によると、女性が重視する条件として「安定した収入」は上位にランクインしている。
ただし、これは「生活基盤が不安定であることを避けたい」というマイナスを避ける意識であって、「安定しているから好き」というポジティブな魅力に直結するわけではない。言い換えれば、「安定」は必要条件ではあっても、十分条件ではないのである。
公務員がモテるという都市伝説
婚活市場において「公務員はモテる」という話を耳にしたことがある人も多いだろう。確かに、経済的な安定、リストラのリスクの低さ、社会的信頼性という面で、公務員という職業は好まれやすい。
しかし、婚活アプリ「Pairs」ユーザー1万人を対象にした調査(2022年)では、女性が「魅力を感じる男性の職業」として選んだ上位には医師、ITエンジニア、起業家などが並び、公務員は4位以下にとどまった。つまり、「安定」だけでは上位に食い込めない現実がある。
これは、安定が好まれる一方で、「面白み」「エネルギー」「自己実現性」など、より能動的な魅力を持つ人に惹かれる傾向が強まっていることを示している。
公務員といっても職種は様々であり、都道府県庁・区市役所職員、警察官、消防士、医療職等がある。よく聞くのが看護師、消防士はモテる。これはあながち間違いではない。安定より魅力的に感じやすい職業だからだ。
そもそも「魅力」とは何か?
「安定」が直接的な魅力でないとすれば、そもそも「魅力」とは何なのか。心理学的には、魅力は以下のような複数の要素の複合体であるとされる。
- 外見的魅力:清潔感やファッションセンスなど視覚的な印象
- 性格的魅力:優しさ、誠実さ、ユーモア、コミュニケーション能力
- 社会的魅力:周囲からの評価、人望、影響力
- 自己実現性:目標に向かって努力している姿勢、自分の軸を持っている人
「安定」はあくまでこの中の一部に過ぎず、他の要素とのバランスや組み合わせによって魅力の総合評価が変わってくる。
なぜ安定だけでは響かないのか?

たとえば、安定した職に就いていても、会話が退屈だったり、自信がなく覇気のない印象を与えてしまえば、それはむしろ「退屈そう」「刺激がなさそう」といったマイナス印象に転じかねない。
結婚情報サービスのオーネットが行った2021年のアンケートでも、女性が「この人はやめておこう」と感じる男性の特徴の上位に、「話がつまらない」「無気力な印象」という項目が入っていた。
安定性は安心材料ではあっても、感情的な魅力とはまた別物である。
女性が本当に求めているのは「共に歩む未来」

婚活で女性が本当に見ているのは「この人と一緒にいたら、自分の人生が豊かになるかどうか」というビジョンである。経済力だけでなく、精神的な安定感や価値観の一致、人生をどう生きたいかという方向性の共有が重要なのだ。
特に30代以降の婚活では、「いかに一緒に乗り越えていける相手か」「人生に彩りを与えてくれるか」が重視される傾向が強い。
男女とも孤独を感じやすくなる。誰かと一緒に生きていきたいと思ったときに、あなたはその覚悟と準備ができているだろうか。
安定+αの「自分らしさ」が魅力になる
安定していることを強みにしたいなら、それをどう「自分らしい価値」として打ち出すかがポイントとなる。たとえば、
- 「安定した環境を活かして副業やボランティアに挑戦している」
- 「仕事に責任を持ちながらも、趣味や学びを充実させている」
- 「組織の中でも成長志向を持って働いている」
こうした姿勢は、女性にとって「安定+積極性」「安定+挑戦」という形で魅力として映る。単なる安定は「停滞」や「退屈」と紙一重であることを忘れてはならない。
まとめ
安定していることは悪いことではない。むしろ、結婚生活において重要な土台であることは確かだ。ただし、それだけで魅力的と認識されるほど婚活は甘くない。安定をベースに、どう自分らしさやエネルギーを加えていくかが、現代婚活における成功の鍵となる。
「安定している自分」だけで勝負しようとするのではなく、「安定をベースに進化し続ける自分」を目指していくこと。それが本当の意味で女性に選ばれる男性の在り方なのではないだろうか。
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