婚活において、言葉と行動のどちらがより説得力を持つのか——これは男女問わず悩ましいテーマである。中でも、女性に対して「愛している」と100回伝えるよりも、「愛している」という行動を1回示す方がはるかに説得力があるというのは、多くの恋愛経験者が感じている事実ではないだろうか。
近年、LINEやメール、SNSといったコミュニケーションツールの発達により、私たちは簡単に「言葉」を伝えられるようになった。30年前と比べて、愛の言葉、結婚の意思、感謝の気持ちといったものを、リアルタイムで瞬時に共有できる時代である。しかし、便利になった一方で、言葉の重みは軽くなってはいないだろうか。
言葉を交わすことは、恋愛の入口としてとても重要である。しかし、その言葉が繰り返されるばかりで、現実の行動が伴っていなければ、女性は次第に疑心暗鬼になってしまう。なぜなら、人は本能的に「本当の気持ちは行動に現れる」と知っているからである。
あなたも行動できる!レッツゴー!
言葉先行・行動不足の悪循環

ある調査によると、20代〜40代の女性1000人を対象に「恋人や夫に言われて嬉しい愛の表現」について尋ねたところ、言葉よりも行動を重視する傾向が顕著に見られた。「愛している」と口で言われるよりも、「疲れている日に夕飯を作ってくれた」「記念日を覚えていてくれた」「重い荷物を代わりに持ってくれた」といった行動の方が心に響いたと回答した人が全体の73.2%にのぼった(2023年・婚活総研調べ)。
また、別のデータでは、カップル間でのトラブルやすれ違いの原因として、「言葉と行動が一致していないこと」が上位に挙げられている。例えば、「いつか旅行に行こうね」と言いながら実際には一度も計画しない、「結婚したいね」と言いつつ具体的な行動を起こさないなど、言葉だけが先行して行動が伴わないケースである。
これは婚活においても同様だ。「結婚したい」と口にする人は多いが、実際に婚活パーティーやマッチングアプリに登録したり、自己改善に取り組んだりしている人は限られている。口で言うのは簡単だが、実際に行動に移すとなると腰が重くなる。年齢を重ねれば重ねるほど、なおさらである。
若い頃は失敗を恐れずに行動できた。10代、20代の頃は勢いもあり、たとえ失敗しても「若いから仕方ない」と割り切ることができた。しかし30代を過ぎると、「失敗したらどうしよう」「相手にどう思われるだろう」といった思考が先に立ち、行動が億劫になってしまう。まさに“言葉先行・行動不足”という悪循環に陥るのである。
例えば、「いつか海外旅行に行きたい」と言い続けながら、パスポートすら取得していない人がどれだけ多いだろうか。「いつか結婚したい」「理想のパートナーに出会いたい」と言いながら、何の準備も努力もしていない人が実に多い。言葉だけでは、現実は何一つ変わらないのである。
行動の説得力

行動の説得力とは何か。それは、相手のために時間を使い、体を動かし、時にはリスクを取るという覚悟の表れである。たとえば、仕事帰りに彼女の好きなスイーツを買って帰る。小さなことのように思えるが、それは「あなたを思っている」という行動に他ならない。あるいは、婚活中の男性であれば、清潔感のある服装に気を配ったり、プロフィール写真を更新したり、休日を利用して婚活イベントに参加したりする。これらはすべて「本気で結婚したい」という思いを伝える立派な行動である。
そして重要なのは、行動には“再現性”と“継続性”が求められるという点だ。一度きりのサプライズやイベントではなく、日常の中でどれだけ相手に寄り添い、行動で思いを伝え続けられるか。それが、信頼と愛情を深める最大のポイントとなる。
ここで一つのエピソードを紹介したい。私の妻の話だが、かつての恋人についてこう語っていた。「彼はいつも『愛してる』って言ってくれた。でも、誕生日を一度も祝ってくれなかったし、私が風邪をひいて寝込んでいても仕事優先だった。言葉はあったけど、行動がなかった」と。逆に、現在の夫(私)は口下手で「愛してる」なんてあまり言わないが、ゴミ出しや料理、子どもの世話など、日々の中で自然と愛情を行動に表してくれるという。「今のほうがずっと愛されていると感じる」とのことだった。
私は自慢したいのではない。むしろ「愛している」と伝えていない行動は反省しなければいけない。
このように、女性にとっては言葉よりも行動の方が信頼できる指標になっていることが多い。そしてそれは、恋愛だけでなく、婚活や結婚生活にも通じる真理である。
「行動できる人」になるには

では、どうすれば「行動できる人」になれるのか。まずは普段の生活習慣を見直すことが第一歩となる。たとえば、朝起きたらベッドを整える、日課として散歩する、週に一度は誰かに感謝を伝えるメールを送る。こうした些細な行動の積み重ねが、「動ける自分」を作っていく。何か大きな一歩を踏み出す前に、まずは小さな習慣を変えることから始めてほしい。
また、「完璧にやらなければいけない」という思い込みも捨てた方がいい。たとえ不器用でも、相手を思って起こした行動は必ず伝わる。LINEで何度も「会いたい」と言うより、一度でも実際に会いに行く努力をする方が、はるかに価値がある。
最終的に、恋愛や婚活で成功する人というのは、言葉と行動のバランスが取れている人である。言葉だけでも、行動だけでも、どちらかに偏っていては伝わらない。だが、少なくとも「言葉より行動」の比重が少し大きい方が、相手の心に響きやすいことは確かである。
愛しているなら、行動しよう。結婚したいなら、動き出そう。頭の中で描いている理想を、現実の一歩に変える勇気を持とう。100回の「好き」より、1回の「好き」の行動の方が、相手の心を動かすのだから。
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